「武蔵境」駅より徒歩15分|あなたの街の総合動物病院
エントランス
五角形

病院ブログ

五角形
受付時間
8:30 - 11:30
16:30 - 18:30
2024.2.28
犬の子宮蓄膿症の症状や治療法について獣医師が解説

三鷹市・武蔵野市・調布市の皆様、こんにちは。

三鷹市深大寺のかえで動物病院、獣医師の柳田です。

今回は犬の子宮蓄膿症について解説いたします。

 

子宮蓄膿症とは

子宮蓄膿症とは、感染や免疫力の変化、ホルモンバランスの変化などにより子宮内膜症を引き起こし、それが悪化することで子宮内部に膿が溜まる病気です。避妊手術を受けていない、特に5~6歳以上のメスに見られます。また、発情後1~2か月はホルモンバランスや子宮内部の状況から子宮蓄膿症が起こりやすいようです。子宮蓄膿症には外陰部より排膿がある場合と、見られない場合があり、後者の見られない場合は病気に気が付くのが遅れてしまうケースが多くなると思われます。また、排膿がある場合でも、「排膿に至るまで悪化している」ということですので、決して軽度とは言えません。

当院開業直後に初めて行った手術も子宮蓄膿症でのワンちゃんで、この子は無事にお返しすることができました。しかし、その後も子宮蓄膿症の子が来院したことから、避妊手術がまだの子は特に注意が必要な病気であると考えています。

 

症状

多飲・多尿、外陰部からの排膿、腹部の腫れや痛み、嘔吐や下痢、食欲不振、発熱、ショック、虚脱などの症状が見られることがあります。

また血液検査上では、白血球の異常な上昇がみられることもありますが、急な症状の進行時には白血球の上昇が見られないこともあります。そのため、他の症状や検査結果と合わせた診断が必要です。

エックス線検査や超音波検査により、腹部に塊状の影が見られたり、内部が液状になっている筒状の臓器が見られたりすると、子宮蓄膿症の疑いが高まります。

 

治療

子宮蓄膿症の治療は通常外科手術を行うことが多いと思われます。手術では膿の溜まった子宮を摘出します。蓄膿症の程度によっては、抗生物質の投与などにより症状が一時的に回復する場合もありますが、再度悪化する場合もあるため、外科的な手術をお勧めします。

また、子宮内に感染した細菌から発生した毒素が、体中をめぐっていることから、手術が成功しても術後に敗血症を発症します。また、この毒素の影響により腎臓や肝臓の機能低下など、多臓器不全を引き起こすこともあります。これらはいずれも命に関わります。従いまして、手術後も体の状態が安定するまで、しばらくの間、継続した治療が必要となります。

 

予防

早期の避妊手術が有効です。特に初回発情前の手術では、子宮蓄膿症だけでなく、乳腺腫瘍の発症率を90%以上の割合で少なくすることができるといわれています(詳しくは当院ホームページ「避妊手術で予防できる病気」をご参照ください)。

 

おわりに

子宮蓄膿症の発見は、高齢になってからが多いので、発見時には重症化しているケースが多く見られます。無症状の避妊手術でも、子宮が腫れていることがあり、内部を確認すると内膜症が見られるケースも経験しております。内膜症から感染を起こし子宮蓄膿症になると命に関わりますので、早めの避妊手術をお勧めします。

カテゴリー

  • カテゴリーなし

アーカイブ

電車アイコン 中央線「武蔵境」駅 
車約5
駐車場マーク 駐車場完備 1