
病院ブログ
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8:30 - 11:30 | / | / | ● | ● | ● | ● | ● | / |
16:30 - 18:30 | / | / | ● | ● | ● | ● | / | / |
三鷹市、調布市や府中市、小金井市、西東京市、武蔵野市にお住まいの皆様、こんにちは。三鷹市の深大寺にある「かえで動物病院」院長の柳田です。
本記事では「犬の破折(歯が折れること)」について、その原因や症状、診断方法、治療法、予防策について詳しく解説します。
犬の歯の破折とは?
犬の歯の破折とは、歯が物理的に損傷を受け、割れたり折れたりする状態を指します。主な種類としては、外傷性破折(物理的な力によるもの)と病理性破折(病気や弱い歯質によるもの)があります。特に口で遊ぶような活発な犬や硬い物を好んで噛む犬種では、この問題がよく見られます。
犬の歯の破折の原因
・外傷:硬い物(骨やおもちゃなど)を噛む、事故による衝撃などが原因で歯が破折することがあります。ほかにタオルやひもなど、柔らかいものであっても、口で引っ張るなどすると歯が割れることがあります。
・歯の健康問題:虫歯や歯周病などが原因で歯が脆くなり、破折しやすくなります。
・その他の要因:遺伝的要因や栄養不足も歯の強度に影響を与えることがあります。
犬の歯の破折の症状と注意すべきサイン
・見た目の変化:歯が欠けたり、折れたりしているのが目で気が付く場合が多いです。
・行動の変化:食欲不振、片方の口でしか噛まない、口を触られるのを嫌がる、唾液が出るなどの行動の変化が見られることがあります。
・口内の異常:口臭、腫れ、出血などが見られる場合があります。
※歯の表面に異常がなくても、歯の根元が折れている場合などでは、行動の変化や口腔内の異常のみ見られる場合があります。
犬の歯の破折の診断方法
・自宅でのチェックポイント:飼い主自身が口の中を定期的にチェックし、異常を感じたらなるべく早くご相談ください。
・獣医師による診断方法:視診、触診、レントゲン検査、麻酔時の精密検査などにより、獣医師が詳しく診断します。
・診断に必要な検査や機器:歯科専用レントゲン機器や拡大鏡、歯の溝を探るエキスプローラーなどが用いられます。
犬の歯の破折の治療法
- 一般的な治療法:歯の修復、抜歯、根管治療などが行われます。歯の状態や破折の程度によって適切な治療法が選ばれます。
- 治療後のケアとフォローアップ~絶対に必要な行動面の修正~:治療後は適切な口腔ケアと定期的なフォローアップが必要です。また、生活習慣や行動様式の修正などが必要となるケースもあり、場合により行動学の専門家受診が必要となることもあります。これができないと、せっかく処置した歯も再度割れることがあります。また治療するまでの間に割れた面からすでに感染していることもあるため、一定期間ののち、麻酔下で歯の根元の部分をレントゲンで再検査する必要があります。
獣医師に相談すべきタイミング
【特に緊急性のあるサイン】
破折は発見し次第、早期の受診が望まれますが、特に次の場合は早急に受診してください。
- 強い痛みがある場合:犬が強い痛みを感じている場合は、早急に獣医師にご受診ください。
- 食事ができない場合:食事を拒む、片側だけで噛むなどの症状が見られた場合も、すぐに獣医師に相談しましょう。
- その他の症状:発熱や腫れなどの症状が見られる場合も、早急に受診が必要です。
家庭でできる予防策~日常ケアと予防~
- 歯磨きと口腔ケアの重要性:毎日の歯磨きと定期的な口腔ケアが、歯の健康を保つために重要です。普段から口を観察できる子であれば、歯の異常の早期発見につながります。
- 適切な食事とおもちゃの選び方:硬すぎるおもちゃや骨は避け、適切な食事を与えることが予防につながります。またタオル等を引っ張ったり、フリスビー遊びをしたりするなど、口を使った遊びは避けることをお勧めします。
- 定期的な歯科検診:定期的に獣医師による歯科検診を受けることで、早期発見と予防が可能です。
よくある質問(FAQ)
Q:犬の歯の破折はどのくらい痛いのか?
A:歯の破折は非常に痛みを伴うことが多いと思われますが、犬は痛みを隠す傾向があります。食事を拒む、片側だけで噛むなどの行動が見られる場合は、かなり強い痛みを感じている可能性があります。
Q:破折した歯は必ず治療が必要か?
A:多くの場合、治療が必要です。放置すると感染や、さらなる損傷を引き起こす可能性があります。
Q:自宅でできる応急処置はあるか?
A:歯の破折が疑われる場合は、すぐに獣医師に相談することが最善です。応急処置としては、食事を柔らかいものに変更し、痛みを軽減することが考えられます。
終わりに
犬の歯の破折は、飼い主にとっても大きな心配事ですが、早期発見と適切な対応で多くの問題を防ぐことができます。歯磨き習慣などを通して、普段から口を触れるようなコミュニケーションを取り、日常の口腔ケアと定期的な獣医師の診察で、愛犬の健康を守りましょう。
何か気になることがあれば、すぐに獣医師に相談することをお勧めします。